インバウンドモニターツアーレポート(Bコース 上越妙高駅~高田)

実はモニターツアー初日(11/11)は雨天のため、自転車を降りてサイクリングツアーの7割程度の行程を徒歩で散策するという事態となってしまいました。雪国新潟ならではの課題でもありますが、11月下旬となると一気に寒くなるということもあり、この時期のサイクリングツアーの設定には制約が多いという現実を痛感したところです。
でも、今回の措置により新しい発見もありました。
以下に案内をさせていただく「まちあるき」に近いようなツアーの場合は、高田の町はアーケードや雁木下の歩道が続くからほとんどぬれずに観光できる!といったうれしい気づきです。
11/24の日本人向けツアーの写真は晴天に恵まれていい写真が取れましたのでこちらも交えて、モニターツアーの報告とさせていただきます。

上越サイクリング  上越妙高駅・高田
城下町高田と上越人気スイーツ巡り

日本三大夜桜で有名な高田城址公園、高田城の城下町として江戸時代から昭和時代にかけて栄えた高田の町はレトロな雰囲気の町家、古民家と共に今に残っています。100年を超える歴史を持った昔ながらの和菓子店や最近人気のスイーツまで、観光スポットを巡りながらさまざまなおしいさを体験できるサイクリングツアーです。

このツアーは上越妙高駅フルサット前を10時に出発する約4時間のほぼ平坦なコース。ランチタイムを挟みますが、道中ずっと食べ歩きをするので問題なし。おいしいものをすこしずついただきながら楽しめるユニークなツアーとなります。今回は雨天だったため、高田駅まで列車で移動して11時スタート。

本来のサイクリングコース
上越妙高駅⇒小竹製菓⇒高橋左衛門商店⇒旧師団長官舎⇒もちや⇒高田城址公園三重櫓⇒高田小町⇒多賀茶焙煎所⇒高田駅
今回のコース
高田駅⇒高田小町⇒笹団子紅屋⇒旧師団長官舎⇒もちや⇒⇒多賀茶焙煎所⇒高田駅

まずはじめに高田の町ってどんなところなのか、雪国の暮らしとはどんなものなのか、古民家をそのまま展示室にしている高田小町で少し町のことを案内します。

雪国独特の雁木造(がんぎづくり)とは、新潟県など町中の民家が協力し合い、積雪下においても通行機能を確保するために自宅の玄関前の庇を長く張り出して下を通路としたもの。雨でも雪でも傘なしで移動できるとても素晴らしい先人の知恵です。

最初の食べ歩きスイーツは上越名物笹団子のお店「紅屋」さん、外国人ゲストのフィリピン人の方たちもヨモギの香りとあんこのマッチングを楽しんでいました。

旧師団長官舎は1910年に建てられた市内に残る数少ない明治期の和洋折衷の木造建築物。

建物としての美しさや室内の丁寧な装飾などは観光的にも案内が進めやすいのですが、外国人観光客目線で案内するときには歴史的な魅力としてなにを伝えればよいか、少し悩みが残ります。

次のスイーツはその名も「もちや」さん。レトロな雰囲気たっぷりの昔ながらのお店で店員さんとおしゃべりをしながらいただく焼きたてのもちやだんごは最高。当日はとても寒かったのでほっと一息できるという意味でも好評でした。

そして、今年できたばかりの人気のお店「多賀茶焙煎所」。こだわりの茶葉を目の前で焙煎し、香り高い日本茶を楽しめるお店です。
日本人でもお茶の聞き比べをする機会はほとんどないので、フィリピンからのゲストさんたちもとても興味深く、一杯一杯を味わいながら味の違いを確かめていました。洗練されたデザインのお店とゆっくりと楽しむお茶の時間はちょうど歩き疲れたときの至福の一杯となったようです。ツアー終了後のアンケートでも一番の人気でした。

本来でしたら、これらに加えて上越の町の象徴でもある高田城址公園三重櫓を見学し、小竹製菓さんで笹団子パンやサンドパンなどを楽しんだり、高橋左衛門商店「あめや」さんで粟飴などを口にしたりしながら、自転車に乗ってカロリーを消費しながら次のスイーツへと向かうという行程でしたが、今回はここで終了。

今回は雨天のため、サイクリングを徒歩に代えて実施しましたが、ゲストの方からも天気が良ければ自転車でも楽しみたい。という声もいただきました。車ではいちいち駐車場を探したりしてめんどくさい、徒歩では距離が長すぎる、そんな微妙な距離は自転車が一番。このコースの場合はほとんどフラットなのでアシスト付自転車じゃなくても問題なし。

同行したガイドさんたちとしては、歴史や文化の案内に加えて、お店の情報、味の情報などをさらに勉強しておいた方がよかったという反省。そして、距離が短くて目的地が多いツアーの場合、乗り降りが頻繁になるので、次の目的地に向かう前に次はどんなお店で何を食べるのか、何をするのかを都度伝えたうえで案内を進めることが大切であるとの気づきをいただきました。

なかなか天候には勝てるものではありませんが、ぜひ定番商品化してこのスイーツサイクリングがこの街に定着するように努力してまいりたいと思います。また、前日にゲストさんにお知らせして雨の日の代替案ツアーに参加してもらうというのにもトライしてみたいと思います。